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114270~再び

時計を手放して後悔するというのは時計好きなら誰しも経験していること。私も例外ではない。先般エルプリ・デイトナ16520後期ルミノバ夜光を買い取らせてもらったのだが、手に取って改めて「カッコイイなあ」とため息をついた。デイトナは本当にどの世代もハズレ無し。今は個人的には所有していないのですごくそれがさみしいことに思えたのだった。過去に私が所有していた16520は黒白一本ずつで両方とも4ラインの225タキメーターである。黒はイタリアの、白はベルギーのお店からそれぞれ個人で輸入したもの。入手にすごく苦労したのでその分思い出も深い。大事にしていたのだが自分のショップで売った。開業以来、大変お世話になっているお客さんに買ってもらったので後悔はしていないのだが後悔している(どっちだよ・笑)。まっ、時計売買に後悔はつきもの。その2本を海外から輸入した話は、これから個人で海外から輸入する人も増えると思うので経験談としていつか記事をアップしたい。

他ではスピマス。スピマスは過去に4本買って4本すべて手放した。最後のブツは70年製の5th。これも個人輸入で入手した時計でやはりすごく苦労した。売り手の偏屈じいさんの屁理屈で支払いから受領まで実に50日かかった。この時計の話もマジで面白い。昔、リキ入れて書いたので探せば下書きのどこかにあるはず。今度探しておく。スピマスは時計を趣味としているなら一本は持っておくべきだとつくづく思う。やっぱりスピマスはカッコイイ。完成されたデザインゆえ派生はすべて限定でしか出さない、いや出せない。その限定もまたカッコイイ。そういえば昔はイタリア限定も所有していた。懇意にしていたイタリアのショップオーナーが個人的に売ってくれた。確か180万円ぐらいだったと記憶する。今は値が騰がってその倍でも買えないが、それ以上に物が出て来ない。これも自分の店で売却した。ただこの時計は腕に巻いてちょっとピンと来なかったのは事実なので、希少であることと高騰した今ならもう少し高値で売れるなあという損得勘定以外にさほど執着はない。納得のリリース。買い戻したいスピマスはやはり王道の手巻きスピマスプロ。センターのオメガロゴがプリントではないアプライドタイプ。そうなると5thの初期までのヴィンテージということになる。うちの店長さんがお客さんからどこぞの店に良い個体があると聞いたと教えてくれたので機会あれば行ってみたい。

ちなみに私は数は極端に減ったが個人として時計を買っている。個人や消費者の視点を失わないことは大事だと思っているので。個人として個人の財布で買っているし、中野にもしょっちゅう行っている。一昨年かばんに時計をたくさん入れて買い取り査定に回った話も書きたいものだ(中野ではない)。もっとちゃんと対応しないとダメだよと思った。失礼な店が結構あった。JFKさんや小野さんとこで修行しろと言いたい。そういうダメな店もあるけど、逆にダメなお客というのもいる。とても失礼なお客とか。そういうのは客商売していると書きづらいものだがせっかくだからこれも機会を見つけていつか書こうかとも思う。

手放して後悔毎年業界ランクで一位のエクスプローラーⅠ。やっぱりこれ。買い戻したくもなるのだがなぜか手放したくもなる不思議な時計。実は個人的にこのモデルは私にとってのロレックスの原点のような時計で、30代から時計を趣味としながら頑なにロレックスだけは避けて来たのだが、2011年のある土曜日の吉祥寺で運命的に(ちょっと大袈裟)出会った。昼間からビールを飲んでほろ酔いにて訪問したデュエルさんで手に取らせてもらい、その瞬間に言いようのないときめきを感じた。幸福なその感覚は今でも忘れていない。それが何年も経て店を経営する小さな源となった。何とカッコイイ時計なのだと思った。カッコイイよりハンサムだなーと。薄くて小さいのにしっかりとした存在感があった。イタリアギャラの完全保護シール付きで29.8万円だった。時が流れ、令和4年の今ロレックスは数百万円の利益を生む世界有数の投資商品となった。ロレックスを腕に着用するということは札束を腕に巻いて出かけるような状況となった。そういう変化を受け入れつつも、もう一度あのささやかな幸福感を自身に引き戻そうと思った。何度目かの114270の買い戻しはこれまでとはちょっと違う。原点回帰であり、私なりの世界へのアンチテーゼでもある。OHを受け6時側を駒カットされて多分今月戻って来る。春の桜の到来とともに楽しみである。

購入直後の114270-2

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とどまるなかれ、冒険者たれ

腰はまだ痛みはあるので用心はしているものの、日常生活が営めるほどには回復。とはいえ公私ともどもいろいろとあり、引き続き安楽に時計に向き合う状況にはなく、まあ有体に書けば少々キツイ状況にあり、で、明日は、、、と考えたときに久々に手に取って竜頭を巻いたのは旧エクワン114270であったということを書いておきたい。やはり私にとっての無二の相棒はどうやらこの時計らしい。とどまるなかれと。たかが時計ではあるものの、意外や意外、結構な存在感であるということを、今日ここで書き記しておきたい。ただの時間を知る道具ではないぞよ。少し日が開きそうだが、また次の更新でお会いしましょう。

114270の駒数、その他について

相変わらず114270についての調べものでここを訪れる人が多い。このブログで冗談半分にキムタク効果?などと書いてきたが、実際にはスポロレの多くが中古でも軽く50オーバーしてしまう中で、まだ50万円以下で買えることがエクスプローラー人気の要因かもしれない。そう、ロレックスは昔からちょっと無理をすれば手の届く正しきブランドであった。エクワン、エクツー万歳。新型シードが100万円、GMTペプシが400万円近いなど何かの悪い冗談のようである。

「214270との比較」、「ブレス駒数」、「36mmは小さいか」、などという検索ワードが多い。私がこのブログを続けているいくつかある理由のひとつは、かつて私が恩恵を受けたように、これからロレックスのことを深く知ろうとする人の一助になればよいなという思いがあるから。ロレックスブログには購入報告や写真メインの記事が多く、意外と時計の細かいディテールに触れているブログやアーカイヴ化している所は少なくて、当時は苦労した思いがある。大それたことは考えてはいないが、こんなブログでも何らか人の役に立てるのならば、ダラダラと長い文章を書く甲斐が少しはあろうというもの。

さて、その旧エクワン114270。色々と使ってきて、気持ちの変化も多々あったが、私は手持ちの中でこの114270だけは将来に渡っても手放さないと決めている。そんな私からの注意点(笑)。古くからこのブログを読んでいただいている方には繰り言になるが、更新も100を超えて、新しい訪問者たちも最初から全部は読んでいられないだろうからご容赦を。このモデルはブレスに問題がある。といっても6桁に比べたら中空でちゃらいということではない。114270の6時側の駒が5つまでしか減らせられないため、バランスがとても悪い。駒調整は一切しなくても大丈夫というぶっとい腕の人にはよいが、36mmのこの時計を選ぶ人は比較的腕が細いのではないかと危惧してのこと。クラスプが手首の内側に来た際に、6時側に5つの駒だと長すぎて時計が手首の向こう側に流れることになる。これは旧シードゥエラー16600も同様である。元々コロンとしてバランスが悪いので、こちらの方が重大問題(サブは4駒半でほぼ問題無し)。

これを根本的に解決するには駒カットしかない。6時側から5つめ4つめの外せない駒を切断して外してしまうという大手術である。これだと収まりは良くなる。事実、エクワンやシード5桁では、たま~にだが6時側が4つしかないものが、その記述無しに中古で売られている。意外と気づかない盲点だが、これは一度やると絶対に元には戻せない。

私はこれまでブレス駒調整、ブレス外し、ベゼル交換、裏蓋開封まで大胆にやってきたが、さすがに後戻りの出来ない駒カットには抵抗があり手を染めてはいない。いや後戻りへの抵抗ではなく、もうちょっと違う何かへの抵抗感。

旧エクワン、シードともお奨めはブレスの逆付け。これでも6時側は最短5駒だが、クラスプの位置を一番奥にすれば、実質的に4駒程度になり、私のように15.5cmの細腕でもひじょうに収まりが良い。前に撮ったシードの逆付けの写真があるので再掲しておく。これは付け替えた後の写真で、画面上の5駒が本来は写真下の6時側に来る。上の4駒目が外せないことがわかる。
シード逆づけ2

クラスプを収納するとこんな感じ。腕にしたときに、やや顔(目線)の方向を向くことをわかってもらえると思う。
シード001
写真はともに16600

とにかく、腕が細い人は購入前に装着させてもらうことを強く奨める。丁寧なお店なら駒を調整して着けさせてくれると思うし、自分でブレスを外して逆付けする自信のない人はそのことも頼んでみればよいと思う(ただし購入前提で)。せっかく購入したのに、その時計にストレスを感じながら使うはつらいことである。私も最初の頃、通販で時計を買ってから悩ましい思いをした経験がある。旧エクワンは、このブレスの問題さえクリアすれば、シンプル・イズ・ベストを地でいくすばらしい時計である。デスク上に置いたら地味以外の何物でもないが、腕に乗せたら別物、とても精悍な何かに豹変し言葉にできない輝きを放つ。嘘ではない。私はいつもそう思う。ため息をついたことが何度もある。個人の感性の問題だとは認識しながら書くが、おそらくは時計として究極的なデザイン美に到達しているのだろうとまで感じている。この時計だけはショウケース越しに眺めても良さはわからない。私も最初はわからなかった。

新型(214270)との比較は好き好きであろうかとも思うが、個人的には新型はトータルバランス(針のサイズ、文字盤とブレスとのバランスなど)がやや悪いと感じている。何よりもこれだけシンプルな3針デイト無しデザインの文字盤なら、旧型のサイズ(36mm)のほうが私には絶対的に好ましい。

シリアルは2001年のPから始まって最終が2010年のG&ランダム。その前の14270でも中身は大して変わらないが、デザイン上の大きな変化がないので、114270の選択でよいと思われる。とても売れたモデルゆえ、選択基準は個体重視でよいかと。

最後に、私はこのモデルを、スポーツ系のスピリットは持ちつつも、ドレス系と認識している。私の時計ケースの中でいつもひっそりと地味に佇む。寡黙で控え目、そしてやや小柄。だが実は一番男らしくて勇気がある。そういうイメージ。今日はベタ褒めしたが、このサイズのスポロレは本当に貴重。最初のロレックスに選ぶ人が多いらしいが、私は最後のロレックスとして残す人がこれから多く出てくると思っている。これは私なりに最大の褒め言葉。今日はこの辺で。

再び114270、今日はG番のこと

前回、旧エクスプローラーⅠ114270の記事をアップしたせいか、その検索ワードで訪問する人の数が多いようで、これは本当に“売れている”のかもしれないと実感。海外ではまったくといってよいほど人気がないモデルで、日本だけの現象のようである。やはりキムタクか!

今後ロレックスから36mmサイズのスポーツモデルが発売される可能性は極めて低いと思われ、そういう意味ではこの114270は貴重ではある。私も今後は手放すつもりはない。ただこういう流れは読めなかったなあと思う次第である。

何度か書いてきたように、私はこのモデルを2度購入しており、ともにシリアルはG番である。もちろん偶然ではなく狙ってのこと。114270は特に最終シリアルがどうのと言われるモデルではないのだが、このG番の数の少なさは、同じく希少といわれるGMTマスターⅡのM番あたりの比ではない。個体としてはひじょうに少ないと推測される。

最初に入手した個体のGの次の数字は0、現所有のシリアルも0であること、ほとんど市場に出てこないこと、これらを考えると、おそらくG番の最初期のみの極少生産だったのではないかと私は勝手に推測している。ランダムとの関連はわからない。

最近は新着情報のアップはやめていたので、書くかどうか悩んでいた個体があった。昨日3日目にしてようやくHOLDになったようなので、自分への備忘録として残しておく。久々にG番が売りに出ていた。やはりシリアルは0番台。ギャラ付き50.8万円という価格も私の感覚では安い。私の知る限りでは市場に出てきたのは、一年以上前に、質屋の大黒屋で70万円弱という高値で出て以来のことである。ただこのショップでは買ったことはないし、当然個体も見てはいないので、あくまで情報として。

114270 Gシリアル

こんなブログでも毎日見に来てくれている人がいるのに滅多に更新せず、してもこんな内容で申し訳なく思う次第。週末に、これもまた誰も望んではいないであろう、赤サブについての続編をアップする予定。せっかくの3連休にまた台風が近づいてきているようで、大きな災害とならなければよいが…、と思っている。今日はこんなところで。

エクスプローラー114270

昨夜久々にネットでいろいろなショップのHPやヤフオクを見て、旧エクスプローラーⅠ114270の中古価格がすごく上がっていることに驚いたのだが、まさか今さらキムタクの影響ということはないよなあと。いくつになろうとキムタク(のような男)がモテるのだとしたら、大部分の男は立つ瀬がないなと、まあ私もう50を超えたから、そっちはどうでもよいが実にそう思う。でも男は見てくれではないのだよと、一応自分のブログなので遠吠えておく。じゃあ何かと問われたら、まあいろいろだと言うしかない。本題から外れるが、この前の食事会以降色々と考えてコメント欄は閉鎖することにした。本当はそこでのやり取りはすごく楽しいのだが、もうブログそのものをやめるかなということも含めて考えに考えた末にそう決めた。その代わり、これまで書けなかった角度から書けるようにはなるかと思うし、また今後はどう変わるかはわからない。

話しを旧エクワンに戻す。円安の影響で全般的に高騰傾向にあるとはいえ、ここ1ヶ月ぐらいのことでいえば、114270の高騰はかなり顕著ではなかろうかと思う。旧シードやGMTあたりは落ち着いているようにも思えるから尚更。昨年末に知り合いから譲ってもらう直前、私はこのモデルを真剣に探していたので、当時の価格感はよく覚えていて、高年式のVで30後半、MやZなら30前後、D以前だと20後半であった。20~30%ぐらい上がったことになる。このモデルは生産年も長く、よく売れたので高騰することはないと思っていたのだが…。

とは言え、この時計一押しである私にとっては何だかうれしい現状でもある。色々な時計を買ってきたが、それこそ他メーカーも含めると、軽く50本は超えると思うが、114270はこの先絶対に手放せない時計であることは間違いない。今日は仕事で難しいこと、困難なことがあるとわかっているという日の朝、私は必ずといっていいほどにエクスプローラーを選ぶ。私にとってはそういう時計。逆にちょっとウキウキするような日はGMT、と今書いて、一体自分は最近何にウキウキしただろうかと思い苦笑を禁じ得ないが、まあ時計屋さんを回るとか(苦笑)、う~む!、ほかには・・・、中学に上がった娘と最近出かけることも減ったし、まあぶらっと小旅行に出たり、地方のライブハウスに行ったり、たまに競馬場に行ったり、よかった、よかった、無くはない(安堵)。そういう時は確かにGMTが多い。

114270は径が小さいこともあって、決して目立たないし平凡ですらあり、正直なところ所有の満足度は高くないが、それでもこの時計は旧シードと並んで最も男らしい時計だと自分では思っている。デザインは究極的なまでにシンプルであり、そして強固な意志のような何かを感じる。

今のエクワン114270は2本目で、最初に持っていた頃、オイスターパーペチュアル日本限定116000も所有しており、このそっくりだと言われていた2本を並べてみて、強く実感したことがある。その感覚が私を6桁から遠ざけたのだが、116000はやはり現行特有のラグ。径は1mmか2mmしか違わないのだが、やはりボッテリなのだ。だから似ているようでも印象は全然違った。エクワンの方が締まっている。クロノグラフもデイトもないシンプルな3針モデルは34や36mmまでだと、あくまで個人的な感覚としてそう思っている。
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写真の角度は違うが、ラグの形状の違いをわかってもらえるだろうか。


しつこいがキムタクなあ。テレビドラマでキムタクがはめたから(14270の方らしいが)、30%も高騰するのかよ。そう考えると、ロレックスの相場を支えているのはしょうもない見栄や虚栄心や個人の欲望やら、そういうものなのかと考えたりする。キムタクがタグホイヤーやオメガをはめたら、やはり売れるのだろうか。売れそうで怖い。

今日は昼に中野へ。相変わらずにぎわっており、価格も高値安定。マイブームのヴィンテージ物を眺めてきた。いつものことだが、メインは40前後が多く、若者は決して多くはない。今の日本の全人口に占める中高年の割合は70%を超えており、少子化傾向に歯止めがかからないために、これから人口分布図は見事な逆三角形になっていくのだが、日本人の金融資産の大半はやはり上の世代に行けば行くほど握っているという事実がある。中高年と位置づけされる40歳以上の世代には、ロレックスは高級ブランドとしてのイメージが定着しており、要するに今後価格が極端に下がることは無いと考えたほうが良さそうであるということ。私の回りでも現行の6桁ロレックスが今一つ好きではない人間は多くいて、そうなると中古の需要はますます高まり、程度が良くて、メーカーでOHが受けられる5桁の中古市場はこれからも活況を呈する気がする。まさに欲しい時が買い時かもしれない。

500円玉貯金と114270

あまりブログで売り買いのことはリアルに書かないことにしたのだが、この時計のことは記事にしておく。昨年末に友人から旧エクスプローラー114270G番を譲ってもらった。そのことは前にも書いたように、全額500円玉貯金による支払いである。我ながらよくがんばったものだと思う。700枚である。実感としては、半端ではない道のりであった。ほぼすべての買い物がプラス500円という感覚。800円のランチは千円札&300円で500円玉を釣りでもらう。文庫本も缶ジュースも全部そんな感じ。例えば飲みに行って6800円だったとしよう。普通なら7000円か10,000円を出して釣りをもらうが、それだと駄目で、私の場合は10,300円を出すのだ。これは変な人であり、事実怪訝な顔をされることも多いが、釣銭を出すときに店員さんが納得の顔をしてくれることが可笑しかった。釣りは常にシンプルなのである。3500円とか。

少なくともこの貯金を始めてからの1年2ヶ月、私は1度しか500円玉は使わなかった。打ち上げの後の帰り道で、酔っぱらって酔っぱらって、どうしてもポカリスェットが飲みたくてヘロヘロになって自販機に行ったところ、財布の中には万札と500円玉しかなく、クソーとうめきながらとうとう信念を曲げてしまった。11月頃の話。誓ってその一度だけ。

この苦行を通じて学んだことがある。まず、500円玉は重い。札入れの小銭ポケットに常に7~8枚の500円玉が入っていることが多く、常にジーンズの尻ポケットに財布を入れるため、空腹時にはズボンがずり下がりそうになるほどであった。次に、暗算力が増す。コンビニで894円ですといわれたら即座に1394円という数字を導かなければならない。1円玉がないときに1390円を出したら駄目、釣りは496円とまったく意味がなくなる。そういうときは切り上げで1400円を出さなければならず、そうであれば506円となる。これはちょっと早いがボケ防止にも役立ったはずである。最後に、ロレックスは高い。それは実感、いや痛感した。安く譲ってもらって700枚でこの苦労、もしサブデイトを正規ショップで買うなら1600枚、狂気の沙汰である。

少しは時計のことも書かねば。出荷国はイタリア。シリアルはGの0番から始まる。友人はほとんど使っていなかったらしく、傷も少なく、竜頭の巻き上げも軽い。OH歴はなし。ケース径36mmというサイズは私の体型や腕周りにはほぼジャストフィットであり、例のごとくブレスを逆付けしたので6時側5駒のストレスもない。とにかく薄くて軽い。このシンプルさなら服装もシーンも選ばない。私の所有の中ではシードの対極に位置するモデルとなる。

普段からシードを絶賛し、その気持ちはもはや愛に近いと思っているが、実は自分に似合うとは思っていない。シードは自分の上へいくモデルというか。そういう意味では、旧エクワンはもっとカジュアルな位置づけ。シンプルで気軽でフレンドリーな時計として所有しておきたかった。またその欲しいという我が欲望も渇望するようなものではなく、まるでこの時計のように普通にシンプルに淡々としたものだったことも付け加えておく。

どんどんロレックスが大型に、あるいは質実剛健に進化していることを鑑みると、これもまた古き時代の時計といえるのかもしれない。預貯金からポンと買うのではなく、1年2ヶ月に渡る苦行のような500円玉貯金で手に入れたロレックス。大事にしないわけがないなと。今日はこんなところです。

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114270について再び

相変わらず、ここへ検索でたどり着いてくる人の検索キーワードの最上位は「ロレックス 値上げ」か「ロレックス 高騰」である。それについての有益な情報は何もないので、申し訳ない次第だが、またここでこのワードを書くから、さらに負のループに陥ることになってしまう。今後は自粛しよう。

個々の時計ではやはり114270が多い。今の主流ではないだけに、この品番で検索すると結構このブログが表示されてしまうのかもしれない。ずっとGMTマスターのネタが続いたし、コメントももらったので、今日は少し114270について書いてみたい。

最初に私は114270を今は所有していないことを改めて記載しておく。春先にデッドストックを売り払ってしまった。

だが、そのことは少し後悔していて、500円玉貯金が貯まったら買い直そうと思っていることは前に書いた。私の左腕はひじょうに細い。シードの取れる駒は全部外して、クラスプを一番狭い箇所に調整し、なおかつ逆付けにしても、指2本は入るほどである。おそらく16cmぐらいかと。また夏になると痩せる傾向にあるので、今はもう少し細いかもしれない。

少し話は逸れるが、騎手の武豊は自分のウエイトは手首でわかると言っていた。自分の手首を握ると、痩せたか太ったかがすぐにわかるそうで、それぐらい肉付きに最も敏感な場所なのだそうだ。

私は、身長は平均よりやや高い程度だが、全体的に骨格が華奢なのである。従って、ケース径の小ぶりな時計というのは、どうしても一本は持っておきたい。そうなると選択肢はエアキングか旧エクワン1かデイトジャストあたりになるが、デザイン的には断然114270(又は14270)である。

私の知り合いに時計コレクターがいて、その彼が少し使用感のある114270のGシリアル(!)を持っているのだが、実は先々週にそれを貸してもらって、いま私の手元にある。汗をかく季節なので外では使わない約束。了解を得て、彼の目の前で駒調整をおこない、しかもブレスを逆付けして、はめてみたところ、見事にジャストフィット!ちなみに114270はフルで13駒だが、逆付けにして6時側5駒、12時側6駒、クラスプ位置は狭い方から2段目。これが私の腕にちょうどよい。

前に持っていたといっても、保護シールも剥がさなかったので、私は駒調整した114270をきちんと腕にしたことがなかったのだ(情けない)。もう感動的なまでにピッタリである。思わず、これをゆずってくれと頼んでしまったほどだ。よかったら売ってあげてもいいよと言われた額は、まあまあの価格だったが、我が500円玉貯金では遠い道のり。丁重に断るも、いつかそのぐらいが貯まったらまた頼んでみようと密かに考えている。

はっきりいって、シードやサブのような男らしい派手さはなく、シンプル過ぎて物足りないことは事実。だが私にとって、この時計のフィット感や軽さ、シンプルさは理屈抜きに好ましく、その男らしい時計の対(ツイ)としても持っておきたいなと思うのである。大きくデカく派手な方向に振れている現在のロレックスは、これから先こういうシンプルさにはもう向かわないと思われるので、そういう意味でも、古き良き時代のロレックスを愛する者としては押さえておきたいモデルである。

前にも書いたが、この時計は自分の中ではカジュアル時計の位置づけ。他人と被ることはあるが、つけていて嫌味のないデザインである。この1本だと少々寂しいことは事実なので、ロレックスの王道であるサブやシードとともにシーンに合わせて使い回したいモデルである。アンティークの1016もいいと思うが、数字(369)のデザインは丸まった1016よりこちらのほうが好みである。

各ショップでは中古の114270はじんわりと価格が上がったままとどまっていて、比較的高年式のZやMシリアルあたりでも30万円台半ばが相場。V番なら30万円台後半。Gやランダムは、私のような希少好き馬鹿者のお蔭でえらい高値であり、かつめっきり市場に出てこなくなっているので、そこにこだわるとなかなか入手は難しい。Gやランダムだと出てきても50前後か、もしかしたらそれ以上するのではないかと推測する。

シリアルにこだわらないのであれば、Z番あたりでよいと思うし、使用頻度が少ない個体ならもう少し古くてもよいのではないかと。30万円で新品が買えた時代があっただけに悔しいのはやまやまだが、もう過去を振り返っても仕方ないので、この相場感の中で出来るだけ状態のよい物を選んでいくしかない。

“出来るだけ状態のよい物”、それもまた主観の世界。一般論を述べても仕方ないので、私個人の感覚であることを前提に書くと、リューズの巻き上げが重い個体は避ける。ロレックスはブレスも高額なので伸びにも要注意。ゆるゆるで付けていた人のブレスはたった数年で伸びる。具体的には駒と駒の間隔が空いてしまう。それと小さなキズには目をつぶるとしても、ケースのへこみや打ち傷、風防の欠け等は避けたい。落下やひどくぶつけた可能性があるので。繰り返すがあくまで個人的な判断基準である。ひじょうに売れたモデルなので、程度にばらつきが多く、中古の購入は個体をよく見極めて慎重にすべきかと。

いま市場にはこれといって目をつけている個体はない。まあ当分買う予定もないので真剣に探していないだけなのと、場合によってはいくつか市場に出ているもうひとつ前の14270のミントや未使用を買って、すぐにOHに出してもよいかと考えているからだ。いやいや本命は、いま我が腕にあるGシリアルか。がんばって貯金貯金。この時計は週末に返却予定。ちょっと情が移ってしまっている。

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カジュアル時計としての114270~旧エクスプローラーⅠ

このブログを訪問してくれる人の検索ワードで多いのは圧倒的に16610lvと114270である。シードゥエラーやオイスターパーペチュアルでここにたどり着く人がほとんどいないことは少々さみしいが、それだけ旧グリーンサブや旧エクスプローラーⅠが人気モデルだということだ。今日は114270について少し書いておきたい。

これはすでにディスコンとなったモデルなので、さすがに新品の供給は減ってしまったが、このゴールデンウィーク中、吉祥寺DUELで新品が49万円で売られていた。この価格はディスコンとなった今はお買い得であったと思う。シリアルも高年式のV番。このショップは昔からとにかく114270の入荷には力を入れているので、シリアルや出荷国ナンバーにこだわって探している人は相談してみるとよいのではないだろうか。今は5万円上がって54万円で販売中である。ディスコンとなって久しく、その内に供給が途絶えて買いたくても簡単には買えない時期が来るのだから、新品にこだわって探している人は今の内に買っておくべきである。つい1年半前に新品が29万円で買えたという事実には目をつむるしかない。

以前記載したように、私はこのモデルのデッドストックG番をすでに売却している。だが、手放したことについてはやや後悔している部分もある。私はシンプルなこの時計が好きだし、36mmのケース径は細目の自分の腕周りに合っているからだ。従って、普段使い用に買い戻してもいいかなという気持ちもあるのだが、その場合には中古で価格も20万円台が妥当だろうと考えている。少なくとも40万も50万も出す時計ではないと、実際に過去そういう価格で購入した者として、そこは強調しておきたい。この時計はロレックスの中ではカジュアルな位置付けの時計だし、玉の少ない旧グリーンサブのように、将来に渡って高いリセールヴァリューを持ち続ける個体でもない。気軽にガンガン使うべき廉価モデルであり、その表現はこの時計への褒め言葉だと自分は思っている。

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エクスプローラーⅠ~114270

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リリース時計第3弾。エクスプローラーⅠの114270。この時計はすばらしい。この36mmというサイズと100gちょっとという軽さは、自分にとってはジャストフィットである。エアキングの34mmでもいいが、やはり36mmが自分の腕周りにはベスト。今でもこの時計を手放した自分の決断には驚く。

探検家を意味するこの時計は一般的にはスポロレの位置づけだが、日付表示(探検家には大事だろう)をはじめ、ほとんど何の機能も付いていないことから、個人的にはロレックスのスポーツ系というよりはカジュアル時計と認識している。

何度も書いているが、吉祥寺のDUELで手に取ったときのあの感動は忘れられない。この時計の究極的なまでのシンプルさにはある種の“美”を感じたほどだ。知り合いが1016を所有しているが、これもまたすばらしく、どうも私はエクスプローラー・シリーズが持つ雰囲気や個性がとても好きなようである。

だが新型214270は駄目。単にケース径を大きくし、針はそのままのサイズというのは、いくらアバウトなところがあるロレックスにしても、これは受け入れがたい。基本的に長針は分を表す印字にギリギリ届く長さが普通であるし、視認性からもそうあるべきなのだが、この新型エクスプローラーはたぶん前の114270と同じ針を使っているのではないかと思われ、長針の先は印字にまったく届いていない。天下のロレックスがそんな不精なことをするのかと訝る人もいるかもしれないが、そういうところのあるメーカーだと思っている。それでも視認性が増すとか、デザインがよくなったのならともかく、その逆な結果だけに、私はこの新型には魅力を感じない。所有し愛好している人には不愉快な文章で誠に申し訳ないのだが。

世界的な傾向で時計の大型化が進み、それに対応したのだろうが、エクスプローラーは超然と36mmのままであって欲しかった。あのシンプルさ、軽さ、それでいて何ともいえない颯爽とした格好よさ。本当にいい時計だと、手放した今もつくづく思う。あえて難点を書けばブレスだろうか。中空で高級感がまったくないことと、6時側の駒が5つまでしか外せないため、腕の細い者が装着すると、小指の側に時計が落ちる。ちなみにそのあたりのことは今の6桁モデルのブレスでは改良されている。だが、そのチープさも、この時計にはそれが合っているというか、そういうところも含めて、不思議な魅力に溢れた時計だった。

もしもこの先エクスプローラーⅠが36mmに戻ることがないのならば、程度がよく高年式の114270には、将来にわたって高い価格がつくに違いなく、Gシリアルのデッドストックなら、もう少し寝かせておいてもよかったのでは?などというヨコシマな思いもなくはない。それ以上に、これだけ好きなモデルを手放したことへの後悔も多少はある。だが時計を売るっていうことは、多かれ少なかれそういうものだろう。一度は強烈に好きになって手に入れたものなのだから。そう考えると、それはまるで男女の関係にも似て、自分は多情な男であるなあと思ったりもする。

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エクスプローラーⅠ 114270を購入

数か月もの間、あまりにもシードゥエラーに深くはまってしまっていたため、旧エク1のことはすっかり忘れてしまっていたのだった。掲載されていたのは、かめ吉のHP。未使用で、価格はほぼ定価近かったのだが、それはG番だからだろう。

この114270は悩むことなく買った。ここで買わないと、おそらく後悔すると思ったし、希少な商品は滅多に市場に出てこないことと、ロレックスの中古市場におけるリセール・ヴァリューの高さを知ったことで、それほどのためらいはなかった。購入した瞬間に価値が激減する他の一般商品とロレックスはそこが違う。購入店舗は中野かめ吉。価格コムの評価は低いが、そんなことを感じたことはほとんどない。普通にいい店だと思う。

店に行くのがちょっと面倒だったので、WEBで注文。配送で日時指定不可となっており、さすがにこの値段の買い物でそれはないだろうと、日時は指定して、実際その通りに対応してもらったのだが、一体どういう理由で日時指定不可なのだろうか。純粋に知りたいと思う。とにかく無事に到着。付属品は、ベゼルカバーが欠損。あとは概ねOK。概ねというのは、2010年頃に生産された旧エクスプローラーにどんな付属品や冊子がつくのかよく知らないからだ。探検家が洞窟の中で立っている古くからの例の冊子はなく、EXPLORERと印字された緑の新しい冊子は付属していた。

さて、これで数か月前に吉祥寺のDUELでほろ酔いで手に取った旧エク1が自分のものになった。G番で、100ドイツのギャラ。似ているといわれる日本限定116000と並べてみるも全然似ていない。文字盤は圧倒的に116000、116034のオイパペのほうがスマート。12時の位置が王冠マークというのがよい。ブレスもさすが6桁モデルで、エク1は分が悪い。だが、この薄さ、この軽さは格別。

ちょうどこの頃、シードェウラーのことを調べていく中で、スポーツ系ロレックスにはずいぶんと詳しくなっていたのだが、海、空用のシード&サブ、GMTらと比べると、エク1を同じスポーツ系と呼ぶにはちょっと疑問がある。中途半端と言えばいいだろうか。人類が初めて8848mのエベレスト登頂に成功したことを記念して作られたことは有名な話だが、探検家や登山家といった者たちにどんな価値を提供することを意図しているのかよくわからない(たぶん自分が知らないだけなのだろうが)。

なので、自分にとってはカジュアル要素の強いドレス系の位置付けの時計なのだ。スーツでも普段着でも、どんなシーンでもOKな万能の時計。平均的な体型の日本人にはベストな時計ではないかと今でも思っている。このモデルだけはモデルチェンジ(214270)の際にサイズアップすべきではなかったと個人的には思っている。


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