東京タワーのふもとで

昨日は時計好きでこじんまり集まっての会食。東京タワーふもと、うかい亭で日本式庭園様式の景観とともに、昼からお酒と食事を。あまりオフ会なるものはやらないので、ブログを通じての会は今回で2回目。不精な私は写真を2枚しか撮っておらず、詳細はおふたりに任したいと思うあたりがやはり不精者たるゆえん。

初めてお会いしたおふたりから、「イメージが全然違う」と。九州に行った際に会った方々が私を紳士とか優しいとか形容したためと思われるが、「もっとふっくらした方だと思った」は私にとっても??で、私は痩せギス男であり、いつも服装はラフであり、多少野卑な男である。ちなみにおふたり、詳細な描写は避けるが、とにかく“いい人”たちであった。それは人としてとても大事なこと。楽しい時間を過ごさせていただいた。

あまり他人の時計に影響は受けないたちであるが、某氏の5桁サブデイトには、完成された様式美を改めて感じたのであった。彼の「人と被ることは何とも思わない」という潔い言葉。大量生産の工業製品を所有するにあたり、そりゃそうだと。16610LNはまっこと美しい。一見凡ではあるが、もう究極の形ではないかと思い、アンチサイクロップ会の脱退を申し出ようかと思うが、肝心の会長がブログをやめてしまっており、まあ勝手に脱会するしかないのも何ともさみしいものである。

「水戸の記事は最高でしたよ」とおふたりが。「あはははは、あれはねえ参ったですよ」。
「今回のサブの記事は細かすぎて」、「うははははは」。

カチカチと時を刻む懐中時計の音色とおふたりの眩い金無垢の光を肴に、そして時計が取り持つ不思議な縁を感じさせながら楽しく会は進む。話は途切れない。窓の外は何となく秋の気配。

ネット事情に疎い私にとって、様々なブロガーにここ最近起きたことの話は誠に興味深く、焼酎を飲みながらふむふむと。成程なるほど。私も遅まきながら、これからどうしようかな、などと考えさせられたのであった。それについてはまたいずれ。人間の心というものはやっかいなものであるなあとも。誰もが正しく、誰もが間違う、それは光を当てる角度によって変わってしまうもの。私の正しさは常にあなたの正しさではなく、あなたの正しさもまた私にとって常にそうというわけではない。

会食が終わり余韻とともに有楽町に出て、小一時間もうひとしゃべり。そこで私はさようなら。楽しかったです、また会いましょうねと。外へ出ると、小雨そぼ降る街はやはり秋の気配なのであった。
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サブマリーナ 5512/5513/1680

以前に書いた初心者のためのデイトナ記事の続編。今日は古いサブマリーナについて、前回同様ヴィンテージ物初心者である自分自身への記事である。

調べ始めてからというものの、あまりの仕様の多さと、逆に情報の少なさに辟易した。確かそうな情報は海外サイトが圧倒的で、この年になると英語を訳して理解するのは面倒なことこの上なく。それでも日々少しずつ情報を蓄積し、とりあえず理解できたことだけでもアップすることにした。5512/5512/1680以前のもっと古いサブについては調べていないので、今回はこの3種についてとなる。

その前に、このリサーチは基本的には年代ごとのサブのオリジナルの形を追求することをベースにしていることを書いておく。つまり色々とカスタマイズされたり、ブレスが変えられたりしている、世界のひとつしかないヴィンテージ物の紹介ではなく、発売当初のサブの追求であり、そのベースのさらにベースには、古い時計に向かうのなら、(多くの人と同様)オリジナルの形に拘る私自身のマインドがあることを書いておかなくてはならない。そのマインドについては、自分なりには掘り下げてあるのだが、今日は割愛する。

◎発売時期について
5512は1959年から1977年頃
5513は1962年から1989年頃 
1680は1965年から1980年頃 
*それぞれに諸説あり。

本文の前に基本中の基本から。5512はクロノメーター規格。5513はノンクロノ廉価モデルの位置づけ。ただし発売当初5512はノンクロノ(ややこしい)で、5513の登場で公認となった。ゆえにノンクロノ表記の5512は大変珍しく希少なモデルである。1965年頃にデイト表示の1680が登場、こちらもクロノメーター規格。この5512/5512/1680が黄金のサブ4桁時代を代表する三役。

5512-2.jpg
5513と違ってクロノ表記がある5512メーターファースト

まず、私が調べたのは各モデルのフラッシュフィット(&ブレス)。我ながら変なところから入ったものだが、それはサブの歴史が古いがゆえに、ショップや所有者のサイトを見ていると、あまりにも後年にブレスが付け替えられている個体が多く、そのブレスやフラッシュフィットも多種多用で混乱してしまったため、入り口としてそこから入ったのである。

まず初期(1959~)のサブ5512/5513のブレスはリベット7206が基本。リベットブレスというのは鋲を打ったような形のバンドで、ヴィンテージロレックスではたいへん貴重なもの。フラッシュフィット(以後FF)は58。1960年代の半ばから巻きブレス9315へと変わり、FFは280と380。この組み合わせは1980年の直前、おそらく1979年頃まで。ただしFFに多くの例外なのか、付け替えなのかがあり、そのあたりの整合性についてはよくわからない。ただし、この時代のサブでシングルバックルの7836(FF258)あたりが付いていると、間違いなく所有者による後年の付け替えである。9315はバックル部がダブルフリップロック仕様なので、一見してわかる。リベット、巻ブレス両方とも(私は手に取ってみたが)駒調整は簡単ではない。

1979年頃に93150のハードブレス(無垢ブレス)へ。このFFはたくさんあり過ぎて、そのどれもが正しいのか、どれかが後乗せなのかはよくわからない。よく見るのがFF501,580,593あたり。当たり前の話だが製造と販売には若干のズレがあることは何も珍しいことではなく、例えばギャラが1981年となっていても旧9315ブレスを装着した個体も散見される。

よく目にする溝無し・溝有りは、93150のフリップロックのかぶせる部分に溝があるかないか、当時モノはすべて溝無しなので、溝有りだと1980年代後半以降に付け替えられており評価が下がるというわけ。

まとめると、1960年代の半ばまで、5512と5513はリベットブレス7206&FF58、以降は1680も含めて巻きブレス9315(溝無し)&FF280/380が基本。1979年頃を境にハードブレス93150(溝無し)&FF501/580あたりへと変更。

リベットブレス9315巻きブレス
上がリベットブレス、下が巻きブレス(9315)の溝無し。


次に文字盤に行く前に、サブ文字盤下部の基本をおさらいしておく。まずメーターファースト表記について。これは単に文字盤下部の表記が200m/660Ftとなっているもの。だいたい1967年頃まで。境目は微妙ゆえ、ある時期までは並行していたかもしれないが、以降は逆にフィートファーストへ(660Ft/200m)。前者が稀少。1979年頃にそれまではメーター表記の下にあったSUBMARINER表記(下サブ)が上に移動。

では、長い歴史を刻んだサブマリーナの数ある文字盤の説明へといきたい。自分で言うのも何だが、この作業は大変だった。とても苦労をした。今回の更新でこれだけの間が空いたのは、それだけ苦労したからだということ。で、その結果として…、ギブアップした(笑)。この根性無しめ!泥の深みに胸どころか、アゴまで浸かった気分。5513ノンデイトの文字盤の違いは、何種類も確認はした。だが、その細かい違いと発売時期やシリアルと紐づけることが出来ておらず、またそれらを大系的にまとめているサイトがない(あるいは見つけられていない)ため、さすがにここで書き切る自信はない。これは今後の課題ということで。というか、文字盤の細かい違いとか、それほど興味があるわけでもない。

代わりに、生産期間は短かった赤サブについては、詳しいサイトが海外にいくつかあり、今日はそれでお茶を濁しておきたい。海外サイトの写真をそのまま借りるので、読む人はじっくりと。どうでもいいという人はすっ飛ばしで。だが、この写真は示唆に富んでおりとても勉強になった。ここからでも、ある程度は見極めが可能。上からmark 1, mark 2…の順でmark 6まで。1~3はメーターファースト、さらに3はブラウンダイヤル。1と2と4は白い文字の上に赤が塗られており、他は直接プリントされていることがわかる(1はよ~く見ないとわからないが)。白い文字が“チラ見え”する1と2と4はパンチラダイヤル(苦笑)と呼ばれるらしいが、どこのどいつであろうか?こんなふざけたネーミングをしたのは。中々おもしろいではないか。嫌いではない。いやパンチラではなくユーモアは。660Ft の6、mark2,3,4 はopen6 と呼ばれる。他にもmark6 のSだけ他と違って丸いこと、mark4,5,6 のFt のF の先が、上のM に届いている位置の違い、文字の太さなど、それぞれ微妙に違うことが見てとれる。

mk1.jpg

もう一度繰り返すが、3までがメーターファーストであることで、この種別は時期でくぎることが出来る。1~3は1967年ぐらい(断定はできず)までの1680に限定されたものである。もしもシリアルが70年代中盤で、この赤文字盤だったらアウト、文字盤そのものが替えられている可能性大である。また1680は1970年頃からハック機能が付いているが、ハック機能が付いているのに、メーターファーストだったら、時期が合わずやっぱりアウトと思われ、この辺りは割と見極めやすいかと。もちろん例外はあるのかもしれない。私の記述は書籍とネットの知識からでしかないので。それと、この写真を掲載しているサイトはとてもポピュラーなのだが、個人的にちょっと??なところもあり、もしかしたら次回そのことについて書くかもしれない。参照に便利かもしれないのでシリアルを記載しておく。

5,958,000 1979
5,482,000 1978
5,006,000 1977
4,539,000 1976
4,267,100 1975
4,004,200 1974
3,741,300 1973
3,478,400 1972
3,215,500 1971
2,952,600 1970
2,689,700 1969
2,426,800 1968
2,163,900 1967
1,871,000 1966
1,792,000 1965
1,714,000 1964
1,636,000 1963
1,558,000 1962
1,480,000 1961
1,402,000 1960
1,100,000 1959


文字盤上部の表記も。先ほどと同様、上からmark1,2,3,4,5,6 の順。上3つはメーターファースト。確かにすべて微細に違うが、大きく何かが違うということはない。

サブ文字盤上部1~6


過去のGMTマスターⅡやデイトナの記事に書いたように、おそらくは製造工場によってレタリングが違うようで、ロレックス社はこういう細かい違いは気にしていないのだろう。それと、ロレックス社はある時期まで交換用文字盤というものを用意しており、何年も前に廃版となった、例えばメーターファースト表記のサブを持ち込むと、同じ表記のトリチウム文字盤に交換してくれたのである。それがトリチウム→トリチウムの交換だけに、見極めることはとても難しい。メーターファーストの個体を見つけ、おお!60年代初期のサブだと思っても、70年代に交換されている可能性があるということ(ややこしい)。

5512/5512は1967年頃ミラーからマットダイヤルへ(1680は最初からマット)。1967年頃にメーターファーストからフィートファーストへ変更(何度も書くが諸説有り)。1970年代後半にSUBMARINERの位置がメーター表記の上に移動。1985年頃(これも諸説あり)、インデックスがメタルの縁有りに。このあたりの基本を押さえただけでも私としては進歩、ネット上でアバウトなパチものなら見つけることができた。メーターファーストなのに、SUB表記が上にあるものとか。

5513フチ無し後期5513フチ有り
共にフィートファーストで、SUBMARINER表記が660Ft/200m の上に記載の後期型(左はフチ無し、右はフチ有り)


次に、文字盤の補足として、ミラー文字盤やマキシダイヤルなど、いくつか押さえておきたいことをさらっと。まずは最初期のミニッツサークル&ミラーダイヤル(通称5512MM等)。コレクター垂涎モデル。たいへん美しい文字盤。さらにゴールドレター。ミニッツサークルとは、まず分刻み表示があり、さらに外周があること。はいそれだけ(苦笑)。1965年頃ミラーダイヤルのみに移行。諸説あるがミラーダイヤルの生産は1967年までと思われる。そして1680にミラーダイヤルは存在しない。それと、美しいミラーダイヤルはやはり手が入っているのではないかと私は思っている。これはインデックスとかも同様。それを善しとするかどうかは、その人次第。私は塗り直しについては受け入れる方である。

ミラー2美しい。


マキシダイヤル。これは文字盤のドットが大きく表示されたもので、1970年代後半に見られるもの。左がそれ。比較用に初期ダイヤルを右に載せておく。この程度の違いである。1960年代製または1970年前半のシリアルの個体なのに、このダイヤルが装備されていると、文字盤が交換されている可能性は高い。というかほぼ確定ではないかと思われる。マキシダイヤルにもいくつかパターンがある。

マキシダイヤル通常(ギルト


ロリポップ。サブ後期の特徴であるマキシダイヤルの中でも、特にインデックスと分の刻みがくっついているモデルを言う。形がペロペロキャンディに似ているからである。誰がつけたのだろう。こういうユーモアあふれるネーミングはいいなあとつくづく思う。

ロリポップ


次はベゼル
何種類もあるが、比較的極端に太い&細いの実例を挙げておくにとどめる。初期物は数字が太字で何パターンもある。目利きはこのベゼルと文字盤の組み合わせで、ある程度のことはわかるらしい。

sub fat font5513 thin - 2


キャリバーについて。サブマリーナはその黄金期を支えたひじょうに優秀なムーブメント1500系を採用。5512は最初期はcal.1530。1965年からcal.1570、ほんの数年間1560もあり。5513は生産開始から1964年まではcal.1530、以降終了まで、ずっとcal.1520を搭載。1680はcal.1570、便宜上cal.1575と呼称されているが、実際は1570。1520と1570は今でも日ロレでOH可能。他は不明。ただし、かなりの確率で針や、場合によっては文字盤やケースをも交換されてしまう。竜頭や風防は消耗品だから仕方ないにしても、VRで針も文字盤も代えられることに抵抗を持つ人は多い。

リューズとリューズガード。
今でこそ当たり前となったトリプロック方式だが、初期サブはツインロック。これは竜頭を開放するとガスケットがない。また竜頭の王冠マークに3つのドットがない。1965年?以降はトリプロック方式&ドット有り竜頭(ここは不確か)。ここから推測すると、最初期ミラー文字盤でドット付き竜頭だと交換品ということがわかる。もちろん竜頭ぐらい交換すべきものだということはわかって書いている。1965年登場の1680はトリプロック方式を採用。次にリューズガード。初期はPCG。ポインテッド・クラウン・ガード、いわゆる“とんがりリュウズガード”、又は“ヒラメ”とも呼ばれる。最初期のみなので省略。

PCG.jpg5513ドット無し竜頭
上の写真がPCG、下はドット無し竜頭

風防。当たり前だが1680はサイクロップレンズ付きなのでドーム型ではなく煙突型。5512/5513はドーム型風防。後年日ロレによる交換用では形状が違う。これは現在のサファイアクリスタルと違って完全に消耗品であり、多くのユーザーが社外品を愛用し、自分で付け替えを行っている。従って、ヴィンテージサブの場合、風防にまでオリジナルを求めるのは間違いだと私は思う(竜頭も)。社外品でも何でもがんがんつければいい。5512/5513ノンデイトのドーム型風防の格好よさは絶品。ヴィンテージ物はこれに尽きるのではないかとすら思える。

ドーム
1680 煙突2
上がドーム風防、下が煙突型風防。

裏蓋が共用なのは有名。5512の裏蓋を開けたら5513でびっくり!となる必要はない。必要はないが、ロレックスという会社はこういうところは実に適当である。

1680のカレンダーディスク。オリジナルはシルバーというかグレーというか。ただ、実物をいくつも見ていく中で、細かい違いを発見したが、まあ細かいので省略。とにかく基本はグレーというかシルバー。後年は白。疲れて来て、かなり投げやりである。ああ、5512/5512と1680は別々に書くべきだったと今は思うが、ここまで来て今さら書き直すのはさすがに「うへぇ~」、である。よってこのまま続ける。

カレンダーディスク


ここらで休憩。基本的な外観についてはこの辺りにしておきたい。面倒ではあるが、こうやって書くことで、自分が得た知識が身になっていくので無駄ではない。ここまで書いたことで、売られている個体について、自分なりの眼力はそこそこ養えてきている。例えば、マキシダイヤルなのに、シリアルが1960年代だと、あれ?となるわけである。前述したように、マキシダイヤルの登場は1970年代後半なので。そうなると交換ダイヤルということがわかる。だがそういうことが記載されていないことが多い。もちろん、そんな細かいことを知らずに買ったって何もおかしくはないし悪いことでもないが、私は知っておきたいというだけのこと。買ってから疑心暗義になるのは嫌だなと。そういう細かい性格でもあるので。そうそう、細かい性格ではない人はVRになど行かないと思う(独断と偏見)。

まだまだ閑話休題。海外のサイトを見ていると、VRはもう徹底的に使い込まれて経年劣化したオリジナルにこそ価値を置いており、ベゼルなど剥げ剥げ、ハンズは錆びだらけである。一方日本人はオリジナルにこだわりながらもキレイな個体を求める傾向が強いように思える。かく言う私も(一本も持っていないが)そうである。だが、40年も50年も昔の時計がキレイなほうがおかしいのであって、そうなると実はリフィニッシュされていることが実は多いのではないか。某専門店で見た70年代のVRなど、近年の5桁と変わらない美しい外観だったが、明らかにどこか歪(いびつ)というか、まるで整形した演歌歌手のごとくである。もちろん中には経年劣化したオリジナルに価値を見い出し、ブログにアップしている日本人コレクターもいるが、そういう人こそ本当のヴィンテージマニアだなあと思うが、どうやら私はオリジナルに魅かれながらもキレイな個体を好む中途半端野郎のようである、今のところ残念ながら。私はすでに50代に突入しており、これから先、20本30本のVRのbuy/sellを繰り返しながら、それを極めていくだけの時間も金もなく、どのように向き合っていくか、どこかで自分のスタンスを決めなければいけない。


赤サブについても書いておく。VR初心者が必ず通るといわれるモデル。大量のリダンや文字盤交換が存在し、多くの無知な初心者が騙される通過儀式とも。私の考えとしては、手を出さないほうが無難である。赤いだけでうん十万はあまりにも高いといえば高く、デイトナの200/225タキと似ている。私?私はデザイン的に黒ベースに赤の配色は好きではある。赤サブの製造年については諸説あり、ネットでも色々と書かれているが、一般的なのは1970年前後からのわずか数年というものや、もう少し幅広く67年から74年ぐらいまでという説。特に稀少といわれるメーターファースト(1967年頃まで)の赤サブの存在を思うと、1967年には作られていたことになる。逆に市場に大量に出回る赤サブの中には1978年製まである。この辺になるとさすがにかなりの賭けになりそうだが、現にこれを書いている2014年9月時点で、非常に有名なアンティーク時計店で、1978年製の赤サブが100万円超えで売られている。

ここで推論。まず1965年又は1967年に登場したとされるデイト付きサブマリーナ1680だが、1968年代の白表記を私は一本も見ていないのだ。実物で確認したのは、最も古いシリアルで29~あたりからだが、29だと1969年製造。それ以前の白サブをただの一本も見てはいない。一般的な定説では「1680の大部分は白文字であり、その長い生産期間の中の極わずかな時期に生産された赤サブは希少」と、こんなところだろうが、本当にそうだろうか?実は1680は赤サブ・オンリーで市場に登場した可能性があるのではないか。途中から白表記が混じり、徐々に赤表記が減っていったのではないかと。そう仮説を立てて調べてみると、同じことを言っている人もいれば、そうではないと主張する人もいる。だが、1967年製白表記1680などという個体は少なくとも見つからない。その仮説が正しければ、メーターファースト表記、ノンハックの60年代製の赤サブはかなりの確率で“ビンゴ!”であるが果たして…。ところが手元の洋書では1680の登場は何と1969年と記載されている。掲載写真は赤サブ、フィートファースト。意外とこれが正しいのかも。だが、だとしたら、よく売られている1967年製の赤サブは?う~む。これについては次回かどうかはわからないが、私なりの検証結果をもう一度記事にする予定。

とこんなことを書きつつ、実のところ私は、赤サブは後年に塗り替えられていてもよいではないかと思っている。前述したように、パンチラダイヤルなるものは、黒文字盤の上の白表記の上に赤が塗られているわけで、塗ったのがロレックスの社員や下請け会社の社員だろうと、どこかの怪しげなオヤジが70年代半ばという微妙な生産時期の1680の白い文字の上に乗せていようと、その時計が1680であれば、その本質は大して変わらない気がするのだ。白も赤も中身は一緒なので。もちろん社外品の文字盤と交換されていたら、それは論外ではあるが。

赤サブ
マーク何でしょう??答えは文末に。ヒントはFtのFの形、最も目にする表記。

ギャラについて。現行品以外の時計において、ギャラの持つ意味を私はいつか掘り下げて考えてみようと思っている。VRでギャラがあることは何のプラスをもたらすだろうかと。果たしてその時計の真贋を保証してくれるだろうかと問われれば、私はノーだと答える。いや真贋は保証してくれても、その時計が辿ってきた轍は何も証さない。極論を書けば、古い時計に関してはケースとギャラのシリアルの一致によって、ケースがロレックス製であることが保証されたに過ぎない。文字盤もハンズも風防もムーブも竜頭も、どれも出荷時の物であるということを保証できない。あったらうれしいが、それが付くことで50万円ほど高値が付くVRを見ていると、私はそこはさすがにすっ飛ばせるなと。だったら、その分、金はより良い個体のためにつぎ込みたいと思う。ギャラよりは個体、VRにおいては私はそちらの考えである。

今日はこんなところで。サブは深い。サブマリーナの歴史をもっと深く正しく知ろうと思うと、こんな程度では済まない。だが、この辺りで私はじゅうぶんである。この先は本物のヴィンテージ野郎が生きていく領域であり、おそらく足を踏み入れたが最後、多くの人が自分の理想とする個体を見つけるまで探し続けてしまうのだろう。それは現行品とはまったく違う世界であって、行き着くところは多分どこにもない(気がする)。永遠に彷徨い続けるしかないのかもしれない。私はひとつだけでいいので、気に入ったサブのヴィンテージ物を所有したいというささやかな願望は確かにある。ここでは書かないが、購入のためのかなり条件を細かく持ってしまったので、そういう個体に出会えるまでは手を出さないと決めており、しばらくはそれでいいと思っている。

最後に、ネットで販売されているVRを見て感じたことだが、多くのショップがとにかく説明を飛ばしている。真面目に書くと、商売にならないのだと思われる。つまりヴィンテージ物は、アラを探せばキリがなく、誠実になればなるほど売りづらいという現実があるのだろう。例えば、1970年の5513の説明にさらっとこんな風に書いてある。「~。ブレスはハードブレス93150のダブルフリップを装着しています」、これだと初心者はわからない。不親切と言えば不親切、誠実に書くとこうだ。「1970年製の5513は巻きブレス9315が標準装備ですが、こちらの個体は後年の93150ハードブレスに付け替えられています」、これなら初心者でもわかる。だが、この記述では少なくともブレスはオリジナルではないことを告白しているわけであり、ショップ側としてはあまり強調したくないとことは理解できる。だからこそ、顧客の側に知識は必要だ。感性も大事だが、無知は駄目だ。それは騙されないためではない。ブレスが新しいことを殊更否定するのではなく、多少の努力で知り得ることは知った上で、納得した上で購入したいだけである。多くの人もそうではないだろうか。

今よりもっと無知だった数ヶ月前、会社近くの有名店で、すごく程度の良い5513を発見、いいなあと思って眺めていたのだが、そのブレスはシングルバックルであった。帰宅して、そのショップのHPで再確認。私は長いサブマリーナーの歴史には、そういう個体もあるのだと思って、念のために調べてみると、そんな記録はどこにもない。ただ、他のいくつかのショップでも過去にそういう個体が売られていたことを知る。GMTやエクスプローラー用のブレスである78360に付け替えられていたのだ。どこのHPの説明にも、そのことについては触れられておらず、ああヴィンテージに行くなら勉強しないと駄目だと痛感したのだった。それが、この記事を書くきっかけ。ベテランの方は苦笑してこの記事を読んでいることだろう。とにかく、ショップが不親切だなどと、受け身のまま不満を抱くのではなく、自分がまず勉強すること、知識を得て、眼力を養っていくべきだと私は思う。買う、買わないはそれからのことだ。

最後最後と言いながらもう一言。多分だが、ヴィンテージやアンティークの世界は、ネットや店頭に出てきたのを追っているようでは話にならない(推測)。優秀な個体は前もって水面下で取引されている(推測)。表に出てきているのは…。それぐらいは私もビジネスの世界に身を置いているので感覚でとらえることはできる。極論を書けば、昨日も今日もネットであるいは店で売られているのは、目利きや上得意客が手を出さなかったブツだと私は考えている。部外者も簡単に参加できるスピード勝負の世界ではなく、人脈や人間関係の世界。大事なことは“信頼”。ショップを回る度にそんなことを思う。私は当然のこと部外者である。魑魅魍魎が跋扈する世界に知識も人脈もなく、ただ札束持って簡単に入っていけるわけがない。そんな思いがこの長い文章を書かせた。

前のデイトナの時と同様、今回もドが付く素人記事ゆえ、致命的な間違いもあろうと思うがご容赦のほどを。いや、今回はかなり間違いも多いのではないかと感じているし、年代も曖昧な書き方に終始してしまった。デイトナ記事は何度も検証し推敲もしたが、今回はちょっと仕事が立て込んでおり、そこまでの時間がない。公式にはわからないので、そこは何とも歯がゆいのだが、前回記事から更新も空いているのでアップすることに決めた。後々自分で知った、気付いた間違いは逐次修正していく予定である。長い駄文にお付き合いいただき感謝。次回「赤サブの謎」、その次は古いシード。えっ!まじ?

<答え:写真の赤サブはmark4。>

参考文献
web:Oyster Junky Web, DoubleRedSeaDweller.com, Oyster club, etc.
books:ロレックス大全、100 ANNI DI - YEARS OF ROLEX

時計ショップ巡り三昧の一日

今日は休み。前日は明け方まで仕事をしていたが、少しの仮眠で午前中から時計屋へ(ようやるわと自分で呆れ顔)。目的は古い時計をいくつかとチュードルのクロノタイムを見ること。前もそんな記事をアップしたが、要するに時計屋巡りが好きだということ。ただし今日も購入マインドはゼロである。

まずはチュードル79160ギャラ有りを在庫しているお店へ。前日に電話で確認したのだが、行ってみるとモノがない。「そりゃないよ、セニョリータ!」と嘆くなげく。ここは都内でも仕事場からは遠くて不便なところで、おまけに暑かったため、いきなり出だしからつまづく。中野へ向かうのにタクシーに乗ろうと思うも、ごちゃごちゃしていてメイン通りへの道がわからず、仕方なく私鉄に。車中さすがに眠い。

小一時間後中野着。こう書いては実も蓋もないが、中野の各ショップさんは特に変わり映えなし。ちょうど昼どきで、店は混んでいたが…。ジャックさんで79170カマボコをショウケース越しに斜めから。う~む、やはり分厚い。

アンティーク物はどこも針とインデックスの焼けが不均一なものが多く、塗り直しも含めて、これもまたやはりよくわからない世界だと改めて実感。店員さんも正直なところ判別は困難だと。前に書いた“知らぬが仏”の境地に入らないとストレスを溜めてしまうかもなあと考える。サブのノンデイトあたりがちょっと今後の候補だったりするのだが。1Fの大黒屋さんでもチュードルをしげしげと。

それから上野へ。アメ横は好きである。こういう活気のある商店街はとてもいい。サテンドール各店舗とクォークさんへ。そういえば、以前中野にあった旧グリーンサブのランダムを上野(の大黒屋)で発見。おお、こんなところに出ばっていたのか!と何だか懐かしさを覚える。サテンドールの違う店舗で旧エクワン114270ランダムをそれぞれ1本ずつ発見。ともに約70万円也。ついでに書くが114270はここ数ヶ月で急速に価格が上昇しているが、まさか本当にキムタクが原因なのだろうか。MやVあたりでも軽く40万円超えである。

御旅町方面でチュードルがたくさんある店を発見。たくさんあるではないかと、さっそく厚かましくもショウケースから79160と79260(カマボコではない)のシルバー文字盤のモデルを出して手に取らせてもらう。79160は何というかボッテリという感じ。デイトナのようなきらびやかさはなく、いい意味で武骨&野暮ったい感じ。自分向き(笑)。ただ、これ分厚過ぎだろうと、やはり思ってしまうのであった。ギャラ無し。79260はやや薄くケース側面は流線型。プリンスではなくオイスターデイト表記の3連ブレス。これは意外と貴重である。探してみると結構ないのだ。5連だったり、タイガー表記だったり。ギャラその他完備で約40万円也。でもピンと来ない。デイトナを持ってしまうと、チュードルのクロノタイムは要らないのかなあと。まあそう思うことも収穫といえば収穫。

そうそう備忘録として書いておかないと。某ショップさんに白サブ1680でちょっと魅かれるモデルがあった。ノンデイトのドーム風防の方が好きではあるが、あの煙突型もなかなかであるなと。ブレスもしっかりしていて、ルミナスもこんがり。ケースの痩せも感じない。これ全部オリジナルですかねえ?はい、そうです(と断定口調)。へえ何で?「・・・」と笑える会話もあったりして。困らせて申し訳なかった。アンティークは深いが、深いがゆえにこちらの懐も深くないと。まだまだだなと。それもまた今日の収穫ということで。

古いサブについて少し調べ始めているので、折りを見てまたアップしたいと思う。今日はこのあたりで。錦織の試合を見ながら書いていたが、見事に勝利。立派、本当に立派。素直に感動だった。
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