ロレックスが向かうのは②

前回の「ロレックスが向かうのは」の記事を後から読み返していて、少し視野が狭かったなと思うところがあるので、今日はその補足を。

言うまでもなく、ロレックスは世界的企業なのだから、日本からの視点だけで論じてはいけない。私は仕事柄海外に出向くことも多く…、と書きたいところだがそれは真っ赤なウソ。情けないことに飛行機が駄目なので、私自身が海外に出向くことはないのだが、スタッフやプロジェクトチームを常時海外に派遣している。ヨーロッパやアメリカはもちろん中近東、ロシア、アジアなどだ(アフリカはない)。

スタッフから聞くところによれば、外国の多くはやはり日本よりもずっと貧しい。今の日本がいくら経済的に停滞しているといっても、そのほとんどは中間層として食うには困らず、最低限の生活はできているわけだが、それは世界的に見れば奇跡的なことであると。日本では極一部の富裕層と、その他ほとんどを占める中間層で占められる。その中間層は日本では中間層でも、世界的に見れば上位数%に入る富裕層なのだ。こんな国は珍しい。

3年ぐらい前のこと、ある国へ行っていた前述のスタッフ数人が現地の若者たちに取り囲まれて金を強請られたことがある。帰国した彼らから聞いて私は一瞬青ざめたのだが、現地の警察に届けなかったというその訳を聞くと、取られた金は日本円にして5千円ぐらいだったと言うのだ。その話を受けて私が感じたのは、腹立たしさだったのか、哀しさなのか、あるいはある種の後ろめたさのようなものだったのか、今もってよくわからない。

世界には多くの貧困者が存在し、飢餓者は8千万人とも1億人とも言われ、その内75%が乳幼児だ。先進国といわれるヨーロッパ各国ですら極一部の富裕層を除けば、後は貧困層の占める割合はびっくりするぐらいに多い。

国民の大多数が中流などという国はほとんど存在せず、しかも日本の人口がいくら多いといってもせいぜい世界の60分の1程度でしかないわけで、その日本はバブル後の失われた10年、いや20年、経済は停滞したままだ。従ってこの国の観点でロレックスという世界企業を計ると大きな過ちを犯すに違いない。ロレックスにとって、いつまでも中途半端な中間層でとどまり続ける日本がメインターゲットではなくなることは、もう必然なのだとしか思えない。

世界がこれから均一的に豊かになっていくことはたいへん難しい。たぶん無理だ。食糧、エネルギー、人口増、宗教的対立など、あらゆる観点から計ってもそれは困難だ。おそらくはどの国もごくごく一部の極端な富裕層(それはもう極端なまでの富裕層)とそれ以外に分かれてくる。それ以外の部分で中間層の割合が高い国は比較的裕福だが、たぶん多くの国は高い割合で貧困層を抱え続ける。そして今やどの国も財政難を抱え、破たん寸前のところもある。

巨大資本はこれから獰猛なまでにパイの食い合いをおこなう。TPPの流れなどはまさにそうだ。巨大資本はこれまで以上に富を吸い上げて格差を増幅させていくはず。そうやって見据えたときにロレックスという企業が向かおうとしている先の風景がぼんやりと見えてくる。間違いなく彼らは将来の活路を見い出すべく、雲上ブランドとして世界中の本当の富裕層へと向き合っていくに違いない(もちろん単なる個人的推測の域は出ない)。

そう考えると、やはり私はついていくことはできないと感じる。私はひとつだけ新型ブレスの6桁ロレックス(116034)を所有しているが、このブレスの堅牢さはチープな5桁とは雲泥の差だ。サブマリーナなども高次元の進化を遂げていることを知っている。6桁は新しいロレックスの始まりだったのだ。

でも、もしいま自分が20代、30代だったらついて行ったかもしれないとも思う。私は金のある人間が高級な時計や車を持つことが悪いなどとはまったく思っていない。むしろどんどん買うべきだし、そうしないと世界は回らない。だが、私個人はもういいやという感じ(苦笑)なのだ。結構他のことで好き放題やってきたし。それでも6桁モデルの新型グリーンサブは恰好いいから欲しいなどという、身も蓋もないことを書いて今回の話は終わり。専門ではない私が書いた今回の話、素人の的外れ文章として笑って読み流していただきたい。

しばらくの間、業務多忙のため更新は滞る予定。ここ東京は昨日の台風一過のあと、空はきれいに晴れ渡り、早くも秋の気配。季節の変わり目ゆえ、みなさんどうぞご自愛のほどを。
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