チュードルのサブマリーナについて

今日はチュードルのサブマリーナについて。前に3月9日付け記事の最後のほうで私はこう書いた。「昨今のロレを取り巻く状況に対して、私自身が決めたあるスタンスがある。それをここで公開するのか、先に行動に出てから公開するのか、あるいは黙して語らずで行くのかは決めていないのだが、(以下、略)」と。

改めて読むとずいぶんと大仰だなと思うので、ここで種明かしをしておくと、それがチュードルであったということ。ロレックスほどは高騰していない弟分のチュードルにもっと注目しようと考え、そして自分なりに調べたし、購入もした。チュードルについての今回の記事は2回に分けようと思っているが、新しいモデルから古くに遡って書いていくことにする。

まずはTUDOR最後のサブマリーナが79190。1995年ぐらいから2000年の頭ぐらいまで(もしかしたらその前)のわずかな期間にのみ生産された。その前のモデルは1980年代の後半から1995年に頃にかけて生産された79090。ともにデイト付き&トリチウム文字盤で、カラーは黒と青があり、ブレスは巻きの9315が標準装備。フラッシュフィットは380B。ムーブはともにETA2824-2。

ではどこが違うのかというと、79190はサファイア風防、その前の79090はプラ風防。ここが最大の相違点。さらに竜頭と裏蓋に関して、前者はチュードルの盾のロゴ、古いほうの後者のそれにはロレックスのロゴが刻印されている。風防、竜頭と裏蓋の刻印、これが両モデルの主たる違いである。風防が違うゆえベゼルインサートに互換性はないのでご注意を。それと79190にはベゼルにノッチスプリングが付いた(カチカチカチ)。

tudor79190-2.jpgtudor79090-3.jpg

左が最終の79190、右がその前の79090で、あえて光度の違う写真でふたつの色彩の違いを際立たせてみた。右の79090の文字盤とベゼルを日ロレで交換したら、ほぼ左のようになって帰ってくる。青というより紫に近い。

79190。チュードル最後のサブマリーナ。文字盤はトリチウムでブレスは前述の通り巻きの9315が標準仕様だが、ディスコン直前には78350というハードブレスとなった。特筆すべきはベゼルと文字盤の青のカラーが、最初のごく数年のみ、前モデルの79090と同様にやや渋めの青だが、途中からは上記左の写真のようにあざやかな青紫となった。個人的な好き好きはあろうが、私は初期の淡い青が欲しく、一時期このブログでかめ吉さんに有ることを盛んに書き立てたものだが、あのとき買っておけばよかったと今も後悔している。従って、私はチュードル最後のサブマリーナ79190を所有したことはない。

その前の79090はプラ風防で、古き良きロレックスの流れを汲んでおり、時期にズレはあるものの、さしずめ1680の位置付け。やはり人気は青。ご存知のように、ロレックスのサブマリーナにはステンレスの青はない(コンビと金無垢のみ)ので、そこが最大の個性と言える。私は非常に好きなモデルであり、現に所有もしている。いかにもデフュージョンブランドといった、多少安っぽい作りが堪らなく良い。プラ風防とチャラチャラ巻きブレスのお蔭で軽い軽い。黒ならロレックスにいくらでもあるので、私のお薦めはやはり青なのだが、ロレックスだと白サブあたりでも80万円近くまで高騰してしまった今、チュードルの黒にいくというのも大いに有りである。

言い忘れた。79090には文字盤が2種あり、最下段の表記が、古いと6時の△の下にT SWISS T、
後期はT SWISS △ MADE T となる。写真アップが面倒なので、文章でご容赦を。

青も黒も、注意点としては、おそらくは同じステンレスでもロレックスのそれとは素材が違うのか、あるいは気密性が弱いのか、チューサブは文字盤の内径の部分に錆びが発生している個体がひじょうに多いということを挙げておく。これは腕の良い職人さんなら除去してもらえるのかもしれないが、購入時に注意するに越したことはない。ケースの錆びと同様に針も傷みやすいようで、トリチウムを囲むシルバーの部分に剥離が見られる個体が多く、私のブツもキズミで見ると同じであるが、これだってもう20年近くも昔の個体であり、私はあまり気にしていない。それ以前に、市場に出てくる個体が少ないので、あまり悩んでいると買いを逃してしまう。また竜頭の巻き上げもロレックスとは全然違う。いくつもの個体で試したので、そういう作りなのだろうが、きりきりという歯車の手ごたえはまったくなく、単に木ネジをぐいぐいと巻いているかのような感触。慣れないと最初はちょっと驚く。

ここまでの79190と79090の針はベンツオンリー。これらのモデルを更に遡ると、イカやらタコやらが出てくるが、それは次回。

チュードル青サブは派手さこそ無いものの、ひじょうに美しい時計である。特に79090と初期の79190の文字盤の青は暗く沈んでいて、暗い部屋では青が目立たず、しかし戸外ではダークブルーの個性がきらめく。ベゼルの青もオリジナルはややくすんだメタルブルーで、ロレックス青サブの目にも眩しいブルーとはまったく違う。高級感では足元にも及ばないが、そもそも比較すべき時計でもない。数年前までは30万円前後で買えたが、昨年あたりで保証書付きなら40万円台後半、今は50から高い店だと60万円を超えてしまうようになったのが少し残念。現役時代に不人気だったせいか、あまり売っておらず、出てきても比較的早くに売れてしまうので、同じように考える人がいるのだなあといつも思う。とにかく、滅多に出て来ない割に、各所傷んでいる個体が多いという、たいへん悩ましいモデルであるが、それゆえに探すのが楽しいモデルともいえる。だが値段なりの時計であることも書いておく。いくら個体が少ないからといって、80万円とかになったら私なら絶対に手は出さない。

くどいがもう一度書く。状態の良いチューサブはひじょうに少ない。これは先に書いた、元々ロレックス社が恣意的に差別化として素材のクォリティを下げていたと思われることと、やはりロレックスほどのブランド力もなく、当時は安かったので手軽(手荒)に使われることが多かったからではないかと推測している。だから、たまに出てきても外装(風防やケース)が傷だらけの個体が多く、頑強なロレックスのシードやサブマリーナは傷だらけでもそこそこ様にはなるが、どうもこのチュードルがそうだと痛々しいというか、より安っぽく見えてしまうというか、だからこそ逆に、きれいなチュードル青サブは最高に恰好いいとも書いておく。

次回に書くが、79090よりもさらに古いスポーツ系チュードルになるともはや絶滅寸前。マーケットにほとんど出て来ず、逆にパチ物が溢れかえっていて、安易に手は出さないほうがいい。オークションに出ているほとんどはパチ物であるし、きちんとしたお店で売っている「あるブツ」も、典型的なfake品である。私も古いチュードルを買うときはいつもひじょうに慎重になるし、文字盤のレターやムーブメントの写真をいくつも保存しているが、その程度で見極められるような簡単な代物ではない。そのあたりを含めて次回に。
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