ヴィンテージはいい

実は私は今年に入ってからは完全なヴィンテージ好きに変貌している。70~80年代のチュードルのサブマリーナを3つほど購入し、夏前には念願のロレサブ5513を手に入れた。この5513は非常にすばらしく、ため息が出るほどである。まあ一目惚れと言って良い。情けなくもあるが、この歳(53)になって人間の女性(にょしょう)に惚れるよりはマシであろうと自分に言い聞かせている。どのぐらい気に入ったかと言うと、この夏一度も戸外で使わなかったほど箱入り娘化していた。私は汗かきであるし、夏は突然のゲリラ豪雨もある。それは酷であるゆえ、過保護に事務所の中でしか使わず、仕事の合間に眺めてはため息をつく。目元も口元もだらしくなく緩んでいたはずである。それでニヤニヤしながらセーム皮でフキフキしているのだ。82年製。フチ無しとしてはほぼ最終。私は焼けの強い個体は好きではなく、これもやや焼け程度。針にはサビも出ているが気にしない。ケースに傷多数だが気にしない。ブレスもやや緩いが気にしない。惚れた弱みとはこのこと。参ったな。

チュードルの94010黒。デイト無しのサブ。これも良い。チュードルにしては文字盤に痛みがなく、とてもきれいな個体。大体イカとかタコとかネーミングが悪過ぎるのだ。誰だ、こんなセンスの無い名前を付けたのは。海外ではスノーフレークである。雪片、雪の欠片であるよ。何と美しいネーミングであることか。だが、正直に書こう。どこをどう見ても私には雪のカケラには見えず、イカの頭にしか見えない。

これはアメリカから個人輸入した。賭けであった。ご存知のようにヤフオクのチューサブなどほとんどがパチ。はっきり書くことは控えるが、本物とわざわざ銘打って売られているチュードルサブの偽物も出品されている。私は結構な時間をかけて調べた。チューサブのフェイクはガワでそれと分かる物が多い。また危険なシリアルというものがある。乗せ換え、リダン、社外品、何でも有り、だからこそ選びがいもある。

これらをきっかけにヴィンテージの扉が開いてしまったようで、シード1665が欲しくなり、1016も欲しくなり、それどころか、オメガやブライトリングのヴィンテージにも目移りが。まずいな。昔、某ブロガーさんに「オイパペさんはヴィンテージに向いている」などと指摘されたが大当たり。こうやって泥沼にずぶずぶと浸かっていくのであろうか。いや参った。

ヴィンテージの魅力とは、前にも書いたがやはり経年変化による世界にふたつとない個体であること。そこで自分の感性が問われること。確かに若い時に入手した時計と30年もの歳月をともに過ごし、ともに変化(劣化)していくことこそが大道であろう。だが、突っ走る3年はだらだらの30年よりも濃密なはずだと信じたい。などとええかっこうしーなことをたまには書いておく。今回法人を立ち上げてわかったことがある。私は自分をかなりの年配者だと思っていたが、このブログの読者はどう若目に見繕っても、おそらく平均40代、もしかしたらそれ以上の、その、まあ何と書けば良いか…、平たく書けばおっさんばかりだった。だが皆の衆、ヴィンテージをスタートするにはまだ遅くはない。4桁には、5桁にも6桁にも無い魅力がある。ロレックスは経年変化を否定し、最早そうならない時計を作っているので、ヴィンテージと呼ばれる時計は4桁で終わる。その4桁の多くは、あと何年かで時計としての機能を失う。我々と似ているではないか(深読みしない)。だが、40, 50, 60, まだ遅くない。

5桁6桁の時計はほぼ数値化されている。114270の高年式なら40万円台後半、少し古ければ40万円前後。だがヴィンテージは違う。横並びで数値化はできない。その時計にいくらの値段がついていようとも、それは他人の付けた価格だと言い切れる。何度も書くが、その人自身の感性と美意識が問われるのだ。そこが面白く、そしてシビアなところ。それもひとつの道ではないだろうか。

今回の記事は別に法人でのヴィンテージ強化とかではない。あくまで個人的な領域の話。私の中ではそこはきちんとした境界線があるので、これからもそこははっきりと区別して書いていくつもりである。皆の衆、まだ遅くない。遅くはないが良い個体は年々減っている。行くなら急ぐべし!そして覚悟すべし。たぶん道は険しい。だが、たぶんその道は楽しい。

【追記】
と書いてアップした数時間後のド真夜中、ルンルン♪と5513の竜頭を巻いていたらバチっという手ごたえとともに時計が不動に。うわ!ゼンマイ切れだ。日ロレに持っていったら針交換間違い無し。道は険し、厄介なるかなヴィンテージ。涙、涙。いや、マジで悲しいぞ、これ。

チュードル&ロレックスサブマリーナ
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