1675の文字盤、その他について

裕次郎さんの1675の現物を見てからというもの、ずっと気になっていたことがあって、それはそういえばGMTの文字盤の違いをアップしていなかったなあと。この文字盤を説明する記事は20本書くぐらいの労力で好きではないというか苦痛である。それに実はあまり訪問者に喜ばれていないことも私は密かに感じてはいる。何となくわかるのだ。微妙に拍手の数だとか、残されるコメントのニュアンスとかで。それでもそろそろこういうところに書いておかないと私も忘れてしまいそうだ。ということで、今日はヴィンテージ1675の文字盤をパート1から7まで。興味のない人はスルーで。

GMTマスターの2世代目である1675は、1960年頃にそれまでの6542の後継として竜頭ガードを備えて登場、その初期はサブと同じようにギルトだ、サークルミラーだ、PCG(とんがり竜頭ガード)に小針だ、アンダーラインだとバリエーションも豊富。人気はやはり外周(ミニッツサークル)があり、さらに光沢のあるミラーダイヤルか。これらはリベルタスさんによく魅力的な個体が出るので、興味のある人はまずそこへ。そんなことは常識ではあろうが、あえて初心者の人に。ちなみにウォッチ・ザ・ウォッチに行っても一本もない(笑)。

話を戻すと、60年代の半ばに文字盤はマットに移行。そこから80年代初頭まで続いたあと後継の16750にバトンタッチした。今日はその約15年間に生み出された1675のマットダイアルの違いについて。その種類には諸説あってマーク1から5まで分類する人もいれば1から7までの人もいる。あるいはマーク5にいくつかの亜流があるとする人もいる。後述するが私はマーク7まで分類している。 説を変えたので以下は新しく書き起こした。まずはマーク3までの紹介。

1675-MK1-z.jpg

MK-1 ロングE。王冠マークの下のR-O-L-E-X のEの真ん中の横棒が長い


1675-MK2-z.jpg

MK-2 字体が太く、OYSTER と PERPETUAL の間がやや広い


1675-mk3-y.jpg

MK-3 レタリングよりもむしろインデックスに注目。
秒数を示すラインが長く、インデックスが中央に寄っている。


マーク3までは大雑把に書くと大体こんな感じ、ここまではほぼ定説でフィックスされている。で、ここからが面倒。実はマーク4以降は人によって意見が違い、海外フォーラムでも喧々諤々。それらをすべて紹介はできないので一応私の見立てというのを載せる。違うという意見もあるだろうが、あくまで私の見解ということで。深く知識を得たい人はそれぞれでお願いしたい。個人的な意見としては、マークいくつかという分類などは実際のところどうでもよい。特にこの4以降はひとくくりにしても良いレベルである。

1675 mk4-1

MK-4


1675 mk5-1

MK-5


1675 service-1

交換ダイヤル


おいおい、どこがどう違うか書けよ!という声なき声が聞こえる。下の3行の位置関係が微妙に違う。私はMASTERのAと下の2行HとCの位置関係を頭に入れている。他にも例えば4と5と交換ダイヤルでは、GMT の T と真下の I の位置がどれも違うことがわかる。上記の4と5以外にも違うダイヤルはあるのだが面倒なので。人によって異説があることを書いておく。いろいろな意見があるということで。

これらが1~5とサービスダイヤルまで。やはり4以降は微細な違いなので、マーク1,2,3とそれ以外という括りりでよいかなとも思うが、オタクの世界はそうもいかない。海外のサイトとか一度見て欲しい。大の大人が何日間も論争や激論を交わしているのだ。まったくアホだが、愛すべき阿呆どもだ。もちろん私もあほだ。

数えた訳ではないので感覚で書くが、希少なのはマーク3。これはラジアルダイアル、ミニダイアル、アジアダイアルなどと呼ばれ、秒を示すインディケーション(外周の60のライン)と丸いインデックスに距離がある。つまりインデックスが文字盤の中央に寄せられている。ラジアルは1665(古いシード)でよく散見する。まつ毛のながーいフェイス(レイルダイヤル)と似ている。

忘れていた。マーク1にも亜流があり、人によってはマーク0.5などとしている。せっかくだから載せておくか。

1675-mk05-.jpg

R-O-L-E-Xの E の横棒が長いのだが、マーク1ほどは長くない。これがマーク 0.5。わはは。さすがにその命名は私ではない。海外のどこかのオタク野郎だ。さて、文字盤についてはここまで。後は写真で各自勉強していただきたい。該当するシリアルは以下の通り。

MK1: 1.6Mil / 2.9Mil
MK2: 2.5Mil / 5Mil
MK3: 4.2Mil / 5.5Mil
MK4 & MK5 & MK6 & MK7 : 5Mil以降
*マーク1でシリアルが5*****だったらそのダイアルは後乗せであることがわかる。逆にシリアルが古い(60年代の1番台など)でダイヤルがマーク4以降だったら私はちょっと疑う。また現在市場に出ている1675の多くが交換ダイヤルであることを書いておく。このことについてはまた別の機会に。

ヴィンテージの魅力は人それぞれであろうが、何といってもベゼル、その個性ではないだろうか。私もまたそうである。ベゼル好き、ベゼルフェチ、ベゼル魔、何と呼ばれても良い。ヴィンロレ最大の面白さだ。サブなら私は褐色して灰色よりも青味がかったそれが好みで、文字盤のブラックよりは絶対に退色していて欲しいクチ。前回記事の写真、私物のチューサブ(左)のように。だがサブの最大の弱点はルミナスが取れやすいこと、私は上部にぽっかりと穴が開いたベゼルが苦手で、そういう個体はまず射程に入らない。5桁のサブ14060Mでこれが取れたことは過去記事にしたが、5桁でも取れるのだから4桁はとにかくそこに気を遣う。道を歩いていて取れたら絶対に気づかないはずで、もし気づいたらそれはもう超能力者レベルだ。もちろんベゼルを入手して取り換えれば良いのだが、まずヴィンテージのベゼルは高い。普通に10万円~であり、かつ痛んだり、歪んだりしているものも多く、簡単ではないのだ。従って、やはり最初から気に入ったベゼルが装着されている個体を探すのがベストだと思う。その点、GMTは良い。なぜならルミナスが最初から無いから。無いものは無くならない。禅の坊さんみたいに悟ったのであった。

書き忘れたが1675には赤黒はない。これは後の16760(fat lady)から。1675は青赤(PEPSI)か黒の2種。青赤に関してはfuchsiaベゼルというのがあって、これはフクシアという紅花の色、赤紫色で結構どぎつく好みは分かれるところ。私はそれよりも神社の鳥居のような、ややえんじっぽく退色した赤が苦手。好きなのは青が水色に変色し、赤はそこそこ残っている配色だが、こんなものは好みの問題。中にはごっそりと色が抜け落ちたゴーストベゼルなるものもあり、そのあたりになると重症、あっ、いや失礼、本物。女性からはたぶん不評だろうが、時計オタク野郎の道に女は不要、気にすることはない。裏は単色で赤と青の2種があり、前者が貴重。赤に青を塗ったか、青に赤を塗ったかの違い(当たり前か)。文字は当然太字と細字があり、これもまた前者が高価。そこはサブと一緒。GMTの魅力のひとつは間違いなくベゼルを交換して楽しめるところ。ついでに書いておくと、1675には青一色のブルーベリーと呼ばれる個体があり、滅多に見かけないが高額なので、その配色が好きな人は社外品のブルーを付けて楽しめばよいと私は思う。ただし、これ本物は24時間針が先っちょまですべて赤。

1675 fuchsia
フクシアベゼル


ブレスはリベット、巻き、無垢(ハード)と変遷。リベットは7206。巻きと無垢はミルガウスやエクスプローラー、デイトナなどと同じくシングルロックの7836, 78360である。巻きから無垢(ハードブレス)への切り替えは70年代後半。針の取り付け位置は文字盤から、赤いGMT針、短針、長針、秒針の順、これが後継の16750だと短針、赤いGMT針、長針、秒針の順になる。前者のムーブはCAL.1570(1575)、後者16750はCAL.3075へと変わった。

最後に、これを調べていて痛切に感じたのが、実は後継の16750は狙い目なのではないかということ。特に前期はフチなしで、キャリバーこそ変わったが、外面の変化はほとんどない。痛んだ1675なら、上質な16750こそだ。上のマーク6と7については不思議なことがあって、実は16750のある時期、その文字盤とレタリングが1675のマーク5そっくりなのである。従って、人によってはマーク5は後年の交換ダイアルという人もいる。だが、16750の文字盤は足の取り付け位置が1675とは違うので、これは謎。

で、この記事のきっかけになった亡き裕次郎さんの1675はマーク何かと言うと、あの時はそんな目で見ていなかったのでわからない。あの突然の対面で、もし「ほぉー、マーク2か」などと呟いたら、それこそ本物のヴィンテージ野郎だろうが、私は真っ平ごめんだ。あのとき、ガラスのショーケースを前にして私は、まだ貧しかった戦後すぐの日本で人々に夢と勇気を与えたスターが愛した時計のオーラを一身に浴び立ち尽くしていたのだ。だが、まあせっかくだから書いておくか・・・。マーク1だ(笑)。


GMTマスター1675についてはここまで。私自身の備忘録とこれからヴィンテージに興味を持つ人の一助として。

1675-11.jpg
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