消えたシード4000

今日も休めることになり、今の内にがんばって更新、更新。

いやはやすごいなと感心していることがある、何がって、シード4000のことである。絶版になり後継が43mmにサイズアップされ赤文字が復活したことに何も驚きはないが、そのお蔭で不人気だったシード4000がお宝になったとか。これも並行ショップが煽ったとか言われているのだろうか。私もその端くれだが、煽るどころか知らなかった(笑)。クォークさんや宝石広場さんが煽ったのだろうか。以前に安く売りに出していた4000を隠すぐらいのことはしたかもしれない。前に、個人の時計好きも「時計事業者」と同じだと書いたが、私は今回のことでやはりその意を強くしたのだった。売り手も買い手も、法人も個人もみんな「時計事業者」のようなもの。時計市場に存在する多くの意思、それは個人の消費者も含んで、皆の意識(つまりスケベ心)が市場を形成する。

面白いと思う。心底おもしろい。皆、抜け目なく、なかなかやるなーと素直に思う。そうか、そうか、あの不人気シード4000がプレ値か。まったく想像出来なかったな。経営者失格だな。

元々、個人的には眼中になかった時計である。実物をレキシアで手に取った話は以前ここに書いた。だが、これからはこの時計をお客さんが売りに来たら、当然私も高く買い取らなければいけないというのが、また面白い。「こんなプレ値を認めんぞ!」などと主張して、以前の買い取り価格を提示してもお客さんはただ中野に逃げていくだけだ。つまりそういうこと。こういう波が来たら、たかが一ショップが抗えるものではない。そして高く買い取ったら、それよりは高く売らなければならない、悲しいかなそれが物の道理。たぶん、こうやって販売価格が上がっても、安かった時期と比べたら利益額は間違いなく下がる。何といっても今をときめく人気モデルだからだ。じゃあ誰得?かというと、まあ色々。少なくとも私ではない。それでも並行ショップが煽って…とか言われたら、これは実に心外である。心外ではあるが、ホントに面白いな、時計市場って。

今回のことで、ロレックスというマーケットが間違いなく資産や投資の側面を持つということが露わになった。だって、昨秋はどこにでも売っていたではないか。定価100万円超えのこの時計は中古ショップでは80万円台で売れ残っていたはず。正規店にスポロレが無い無いと皆が騒いでいてもシード4000とエクツーだけはいつもあったし、多くのデイトナ・ハンターの「デイトナありますか」マラソンを尻目にシード4000は我関せずと、まるで達磨大師のように黙ってケースに鎮座していたはず。超然としていたと言ってもいい。昔学生時代に急遽、数合わせで呼ばれた合コンに途中参加したところ、野郎全員がイケメンでおまけに全員がプレリュードだソアラだの車持ち、会話にも入れずにひたすら黙々と酒を飲んでいた私のようなものだ。人生諦めちゃいかんな、まったく。何がどう転ぶかわからん。しかし、急速に市場から消えたとはいえ、本当に高値でバンバン売れるのだろうか?

シードウェラーか。最近の忙しさにかまけてシードのことなどすっかり忘れていたが、今日街を歩いていてその日差しに夏の気配を感じたことを今こうやって書きながら思い出した。そうか、そうか、またあの暑い夏の季節が来るのか。夏といえばシードだよな。私は自分の旧シードを大事にしよう。そう書いて、これまた新手の煽りだと思われたら、これもまた心外である。

この際だから本音として書いておくと、たかだか個人や時計店がマスを煽(あお)れるようなものではない。大衆の欲望に火がつくのだ。自然発火的に。燃え盛った炎は容易には静まらない。ただ火がついたのだ、たぶんあなたや、そして自分ではないと思いこんでいる私の心にもだ。ボーボーと燃え、あの不人気だったシード4000が世界中で品切れか…。面白い、おもしろ過ぎるではないか。このあと、シード4000がどうなるか、私はそのことにすごく興味がある。新しい赤シードより、そっちの方が余程興味深い。

GWもあと2日で終わり。皆さん、引き続き良いGWを。休みの人も働く人も。今は一年で最も良い季節、窓の日差しがキラキラと眩しい。
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