2本づけ

最近仕事で知り合ったある中小企業オーナーの話。ちょっとお世話になり、そのお礼を言いに訪問、打ち合わせの席に入ってきて、上着を脱いだ彼の左腕には2本のロレックスが。

私の目はすぐに釘付けになったが、その視線に気づいて彼もまた私のシャツの袖に隠れたシードを目ざとく発見。「おっ、シードゥエラーか。ちょっと見せて」と。私が腕から外して手渡すと、「これはまた使い込んでいないシードだな」と、60を軽く超えた、菅原文太のような風貌の彼は目を細めて笑った。

そして「シードなんかは、床に落として靴で踏んづけるぐらいじゃなきゃ」などと物騒なことを言う。その言い方があまりにも可笑しくて私もハハハと笑ってしまったのだった。

彼が自分の左腕から外して見せてくれたそれはエクスプローラー1016とサブマリーナデイト(多分16610LN)。もうボロボロのズタズタ。サブのルミナスなど取れてしまっているし、ブレスやケースはもちろんベゼルや風防も傷だらけだ。だが、それらの恰好いいこと。理屈抜きにそう思えたのだった。ちなみにサブの日付はまったくでたらめな日付だったことも記載しておく。

なぜ2本つけているのかなどは聞かなかった。男のこだわりになぜ?は無粋に感じたからだ。そうしたいからそうしているのだろう。

だが、質問していないのに彼のほうから語ってくれたその弁によると、1016は若い時分会社を興したときに一念発起して買ったもので、サブは遅い結婚の結納返しに奥さんから贈られたものだそうだ。その愛する奥さんは先年亡くなられたと。この2本はまさしく彼とともに歩み、そしてこれからもそうなのだと感じた。

テーブルに彼の2本と私のシードが並んで置かれた。格負けしているシードがそこにはあった。

だが彼は「シードはいいよな。俺も2~3本持っているが、シードは最高だ。最高に男らしい時計だ」とうれしいことを言ってくれて、返すときに、ひょいと床に投げる仕草をしてウワっと私を驚かせ、笑いながら丁寧に手渡してくれた。男は時計の傷なんか気にするなよとも。

本当は彼の左腕2本付けの写真を撮りたかったのだが、さすがに言い出せなかったので、代わりにカストロの写真をのせておく。デイトジャストとサブマリーナだ。かつての盟友ゲバラはGMTマスター1675だった。スポロレはやっぱり男の時計、マンズ・マンズ・ウォッチであるな。最高である。

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